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「直す」だけじゃない!保全の仕事とは何かをわかりやすく整理する

  • 執筆者の写真: Yusuke Yoshihara
    Yusuke Yoshihara
  • 4月19日
  • 読了時間: 3分

はじめに

「保全の仕事って、壊れた機械を直すことじゃないの?」実はそれ、保全の“ほんの一部”にすぎません。

保全とは、機械を壊れにくくする、止めない、故障を予測する…など、もっと広く深い活動なのです。この記事では、保全の基本的な分類や流れ、全体像をやさしく整理します。

日常生活での例や図を交えながら、新人にもベテランにも伝わる“保全の輪郭”を描いていきましょう。


目次

1. 保全とは何をする仕事?
2. 保全の基本分類(事後/予防/予知/改良)
3. 「点検」と「修理」はどう違う?
4. 日常生活での保全例(自動車・水道)
5. 保全が見えにくい理由とその価値
6. まとめと次回予告


1. 保全とは何をする仕事?

保全(Maintenance)とは、設備を良好な状態で“保ち”、異常があれば“直す”こと。でも最近ではそれだけでなく、

  • 壊れる前に察知して防ぐ(予防・予知)

  • 設備性能を引き上げる(改良・改善)

  • 故障原因を分析し、再発防止につなげる(フィードバック)

といったように、“守る”だけでなく“育てる”仕事にもなっています。


2. 保全の基本分類(4つ)

保全のスタイルは、目的によって大きく4つに分けられます。

保全の種類

内容

① 事後保全

壊れてから直す

壊れたポンプを交換する

② 予防保全

故障を防ぐ点検や交換

ベルトを定期交換

③ 予知保全

異常兆候をデータで捉え、先回りして対応

振動が増えた軸受を事前に交換

④ 改良保全

故障しにくい設計や構造に変更する

振動しにくい配管ルートに変更

📌 ポイント:保全は“過去への対応”だけでなく、“未来への準備”も含む活動です。


3. 「点検」と「修理」はどう違う?

よく混同されがちですが、

  • 点検:異常があるかどうかを“見つける”行為

  • 修理:見つけた異常を“直す”行為

です。

🔍 点検は医者でいう「診察」、修理は「治療」にあたります。つまり、点検の精度が高いほど、修理の成功率も上がるのです。


4. 日常生活での保全例

🚗 自動車の保全

  • 事後保全:タイヤがパンクしてタイヤ交換

  • 予防保全:オイル交換、タイヤ空気圧チェック

  • 予知保全:ブレーキ異音、異常ランプ点灯を受けて早めに修理

  • 改良保全:雨の日のスリップが怖い → 高性能タイヤに変更

🚰 家庭の水道の保全

  • 予防保全:冬前に配管を保温材で巻いて凍結を防ぐ

  • 事後保全:水が漏れてきたのでパッキンを交換

  • 改良保全:水栓の位置が使いづらい → 壁出しタイプに変更

こうやって見ると、「保全」って意外と身近なところにもあることに気づきます。


5. 保全が見えにくい理由とその価値

保全の仕事って、成果が「異常が起こらない」ことなので、目立ちにくいのが特徴です。でも実は、それこそが保全の成功の証なのです。

  • 生産が止まらず、納期通りに出荷できる

  • 品質が安定し、不良品が減る

  • トラブルのたびに「なぜ?」を振り返って改善につなげる

保全はまさに、“会社の静かな守護者”。表には出ないけれど、確実に信頼を支えています。


まとめ

✅ この記事の要点(3つ)

  • 保全とは“壊れてから直す”だけでなく、“壊さない仕組みをつくる”仕事

  • 保全には「事後・予防・予知・改良」の4つのスタイルがある

  • 日常でも自動車や水道など、保全の考え方はたくさん使われている

次回は、この保全活動がどのように行われ、どう判断していくのか、「点検→判断→対応」という保全の基本サイクルについて、詳しく解説していきます!


保全-No.2

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