配管トラブルのよくある原因と“見逃しサイン”
- Yusuke Yoshihara
- 5月18日
- 読了時間: 4分
はじめに
配管のトラブルは、突然起きるように見えて、実は“前兆”があったというケースがほとんどです。でも、そのサインを「気づかない」or「見逃してしまう」のが、現場ではよくある課題。
この記事では、配管に起こりがちな代表的トラブル(疲労・腐食・緩み)について、「どういう前兆があるか?」「点検でどう拾えるか?」を、五感を使ったチェック方法と合わせてやさしく解説します。
目次
1. 配管のトラブル、よくある3つの原因
2. トラブルに至る“兆候”とは何か?
3. 点検で見逃さないための「五感チェック」
4. 実際に見つけた現場事例(よくあるパターン)
5. トラブル未然防止に向けて、今すぐできること
1. 配管のトラブル、よくある3つの原因
配管の異常は多種多様に見えますが、大きく分けると以下の3カテゴリに整理できます。
トラブル要因 | 内容 | 発生しやすい箇所 |
疲労 | 振動や圧力変動による金属の繰り返し応力で、やがて亀裂に | 支持部、曲がり部、継手 |
腐食 | 水分・薬液・結露などにより金属が化学的に劣化 | 断熱破れ、低温部、接合部 |
緩み | ボルト・ナット・継手が緩んで漏れやがたつきに | フランジ、バルブ周辺 |
🔍 特に“疲労”は気づきにくいため、日常点検での早期発見が重要です。
2. トラブルに至る“兆候”とは何か?
事故・漏れ・破損の前には、多くの場合微細な「予兆」があります。
トラブル前兆 | 例 |
微細な振動 | 配管がかすかにブルブル震えている(支持金具の緩みや共振) |
金属のテカリ | 表面摩耗や擦れによる光沢変化(振動部・接触部) |
滲むような液体 | 腐食やパッキン劣化による“じんわり漏れ” |
錆色の筋 | 水・蒸気配管で発生しやすい。結露+酸化 |
カラカラ音・共鳴音 | 内部異常(キャビテーション、緩み、エア混入) |
塗装の浮き | 腐食・内部圧力による剥離兆候 |
📌 これらのサインを「その場の違和感」として拾えるかが、保全の分かれ目。
3. 点検で見逃さないための「五感チェック」
👀 目で見る
表面の色・テカリ・汚れの変化
塗装の剥がれや保温材の破れ
水・油・薬液の**“にじみ”や染み跡**
👂 耳で聞く
通常時と違う音(ヒューヒュー/カラカラ/ビビリ音)
共振のような一定音やバルブの異常音もヒントに
✋ 手で触る
振動の有無・温度変化を感じる
接合部が緩んでいないか、“ガタつき”を押して確認
結露や漏れで湿ってないかも触って実感
💡 現場では「音・におい・手触り」で違和感に気づいた例が多数!
4. 実際に見つけた現場事例(よくあるパターン)
✅ 事例①:空気配管のわずかな漏れ
フランジ部から「シュ〜」という音
手で近づけるとわずかに風を感じた→ パッキン劣化+ボルトの片締め → 早期対応で被害回避
✅ 事例②:蒸気配管のドレン部腐食
保温材の中にじんわり水が溜まり、保温が膨らんでいた
剥がしてみたら、ドレントラップ下部が腐食→ 傾斜ミス+断熱材の破れ → 水が溜まりやすい環境に
✅ 事例③:薬液配管の支持部疲労
長尺配管がわずかに振動、支持金具の接触面が光沢化
調査したら、緩み+周囲温度変化による“寸法変動”→ サドル緩み補正+振動吸収材追加で改善
5. トラブル未然防止に向けて、今すぐできること
🛠 すぐできる対策チェックリスト:
項目 | チェック方法 |
接合部(フランジ・継手) | 見た目、触って緩み、音 |
保温材 | 剥がれ・破れ・膨らみ |
支持部 | 配管との隙間・擦れ跡 |
表面状態 | 変色・サビ筋・液だれ跡 |
配管全体の音 | 揺れ/共鳴/振動音の有無 |
📷 記録を残す(スマホで撮る・気になる場所に印)ことで、継続観察しやすくなります。
まとめ
📌 この記事の要点
配管トラブルには必ず「前兆サイン」がある
疲労・腐食・緩みは、見た目・音・触感で発見可能
点検では「目・耳・手」をフル活用しよう!
🛠️ 明日からできること
点検時に”違和感の記録”を残す習慣を
疲労しやすい支持部やフランジ周辺は重点チェック
配管-No.4
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