「それ、ただの揺れじゃないかも?」振動が教えてくれるトラブルのサイン
- Yusuke Yoshihara
- 4月20日
- 読了時間: 3分
はじめに
「変な音がするけど動いてるし、大丈夫かな……」工場でも家庭でも、そんなふうに“振動”を見逃してしまうことがあります。
けれど実は、振動は設備の異常や劣化を早く知るための重要な手がかり。しかも振動は、“正しく測って正しく見れば”、トラブルを未然に防ぎ、保全の効率を高める強力な味方にもなります。
この記事では、まず第一歩として「振動によって何が起きているか?」を身近な例を交えながらやさしく解説していきます。
目次
1. 振動で起こるトラブルとは?
2. 家庭や車で見かける“振動のサイン”
3. 工場設備での具体例
4. 振動を“敵”から“味方”に変える視点
5. 保全コストを下げる!振動活用のメリット
1. 振動で起こるトラブルとは?
まず、「振動が引き起こすトラブル」は意外と多岐にわたります。以下のようなものが代表例です:
🔧 よくある振動起因のトラブル
配管の破断:共振や繰り返し荷重によって金属疲労
ねじのゆるみ:細かい振動で締結部が緩む
異音・共鳴音:設備のどこかで不均衡が発生
部品の偏摩耗や損傷:繰り返し動作で不均一な摩耗
2. 家庭や車で見かける“振動のサイン”
工場だけでなく、私たちの生活の中でも振動は多くの“兆候”を出しています。
🚗 車の場合:
ハンドルがブルブルする → タイヤのバランス不良や足回りの異常
エンジン音がうるさくなった → マウントや排気系のゆるみ、エンジン異常
🚰 家庭の水道の場合:
水を止めたときに「ガンッ」と鳴る → ウォーターハンマー(急激な水流停止による圧力波)
管がカタカタする音がする → 配管の固定不足 or 経年劣化
3. 工場設備での具体例
配管の共振による破損(事例):
ある工場で、ポンプに接続された配管が繰り返し揺れたことで1年足らずで破断しました。調査すると、ポンプの運転周波数と配管の「固有振動数」が一致して共振を起こしていたのが原因。
🧠 ポイント:→ 構造の“共振周波数”を事前に計算しておけば、設計段階で回避可能だった。
4. 振動を“敵”から“味方”に変える視点
振動は怖いもの、壊れるサイン――それだけじゃありません。実は振動を「定量的に見る」ことで、設備の状態を非破壊で診断することができるのです。
たとえば:
あるポンプの振動が0.3G → 0.5Gに増加:ベアリング摩耗の兆候
特定の周波数だけが強くなる:アンバランス、ねじ緩み、共振の可能性
このように振動を“数値”で見れば、「あれ、おかしいな?」を“明確な兆候”として捉えることができます。
5. 保全コストを下げる!振動活用のメリット
振動を見逃さず、正しく使うことで得られるメリットは大きいです:
✅ 予防保全につながる:早期発見 → 計画的な交換へ
✅ 突発停止を防げる:ライン停止による生産ロスを減らせる
✅ 点検の効率が上がる:異常兆候がある場所だけを重点チェック
💬 ひとこと:「揺れを見れば、未来が見える」
まとめ
🔹 振動は“危険のサイン”であり、“情報の宝庫”でもある🔹 家庭や自動車でも起きているように、工場設備でも同じことが起こる🔹 数値で見ることができれば、保全にも使える強力なツールになる
🛠️ 明日からできるアクション:
「変な音・揺れ」に敏感になろう
現場で“いつもと違う”を感じたらメモしよう
簡易でもいいので振動を測ってみよう(スマホアプリでもOK!)
振動-No.1
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