SOMPIPE
活用ガイド
SOMPIPEを使用すると何が出来るのか?
点検・メンテナンスがどう変わるのか?
活用事例をまじえて説明します。
現状把握
現在の振動を計測し,その振動レベルが破損の危険性があるのか判定します。
判定基準には4000件以上の不具合事例を基に示されたSwRI基準を使用しています。※
手順

1. アプリ起動
「SOMPIPE」を起動します。
2. 設置
スマートフォンを配管に固定します。
☝️磁石付きのスマートフォンスタンドを使用すると安定した計測が可能になります。
3. 振動計測
アプリトップ画面の計測開始を押下します。
4. 計測データ確認
計測した加速度波形に運転状態以外のイレギュラーな振動が入っていないか確認します。
☝️運転状態の評価をしますので,外乱はない方が正確な判定となります。
5. 評価
画面下部にある「評価」タブを押し,画面上部にある「SwRI評価」画面に移動します。
上部表の中にあるX ,Y,Z軸の中で一番悪い軸が判定値になります。
判定レベルについて,SwRI基準の説明ページでご確認ください。
定期診断
設備の保全をする上で一番大切だと考えているのは「継続性」です。
どんな機械でも使用すれば劣化します。外乱以外では急に壊れて動かなくなるなんて事はありません。
定期的に状態を確認し,変化がないかチェックする事でトラブルの予兆を捉えることが可能な場合が多くあります。
ただし,その定期的な確認に手間やコストがかかると「継続性」が失われることが多くあります。
「SOMPIPE」はこの手間とコストを減らすことを目的としています。
ここに記載した活用例では,コストは無料です。
ぜひお試しください。
手順
1. 計測まで
現状把握の1〜4と同じです。
2. 評価記録
評価値を記録します。
☝️評価値の位置付け
加速度評価(ピーク値):異常の兆候を見つける
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意味:波形の瞬間的な最大値(または最小値)
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特徴:
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一瞬でも大きな振動があれば反映される
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衝撃や異常突発現象に敏感
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用途:
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ベアリングの損傷、軸受の欠けなどの初期異常を検知しやすい
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点検時の「異常兆候の早期発見」に有効
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短所:
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ノイズや一時的な振動にも反応してしまい、誤診リスクあり
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加速度評価(RMS値):状態の良否を見る
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意味:波形全体のエネルギー量に相当する平均的な振動の強さ
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特徴:
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全体の波形を通して平均的に評価
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定常的な機械の状態を表すのに適している
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用途:
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ISO 20816 などの国際標準評価で広く使われる
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ファン・ポンプ・モーターなどの「全体バランスの劣化傾向」把握に有効
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短所:
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ピーク的な異常を見逃す可能性がある
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SwRI評価(乖離値):振動レベルの大きさ
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意味:Dangerラインに一番近い成分とDangerラインの距離
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特徴:
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振動レベルをランクではなく定量値化した数値
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振動全体ではなく,周波数分解した振幅レベル評価なので特定周波数の振動の変化に有効
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用途:
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継続診断において,定点ウォッチするのに一番適している定量値
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短所:
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全体のレベルが変化しているのか,特定周波数が変化しているのか単独での判断は難しい
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☝️UPDATE(2025.05.26)
アプリ内でレポート生成と保存が実装されました.
レポート生成し保管する事で,記録が簡単になりました.
レポートサンプルは下記PDFファイルを参照してください.
3. 評価値の変化を見える化する
エクセル等で値の変化をグラフにし,変化があるか診断する。
☝️現在は評価値の保存および履歴管理はありません。お手間かけますが自身で管理をお願いします。
履歴管理および変化の見える化は実装予定です。最新情報が欲しい方は下のフォームから登録をお願いします。