「いつでも・誰でも・その場で」使えるアプリを目指して
- Yusuke Yoshihara
- 6 日前
- 読了時間: 3分
〜SOMPIPE開発で工夫した“小さな現場対応力”〜
はじめに
保全の現場で新しいツールを導入するとき、一番のハードルは「使いにくそう」「面倒そう」ではないでしょうか?たとえ高度な機能があっても、それを「誰でも」「その場で」使えなければ、日常業務の中に根付きません。
SOMPIPEは、まさにこの点にこだわって開発されました。今回は、スマホだけで振動診断ができるというコンセプトを現場で成立させるために、開発チームが工夫したポイントを紹介します。
目次
1. 「現場で測る」ってどういうこと?
2. スマホの加速度センサーを使う意味
3. UIは“わかりやすさ”が命
4. その場で判断できる仕組みとは?
5. 「説明しやすい」ことも重要
6. 今後の現場ニーズに応えるには?1. 「現場で測る」ってどういうこと?
振動診断というと、どうしても「分析装置」「振動計」「エンジニアリングツール」といったイメージになりがちです。でも、SOMPIPEが目指したのは「保全担当者が、日常点検の流れで測れること」。
つまり:
測るのに特別な資格や訓練がいらない
工具を持つような感覚で使える
一人で持ち歩いて、パッと測れる
という状態です。
そのためには、「スマホ+アプリ」だけで完結させる必要があると考えました。
2. スマホの加速度センサーを使う意味
スマートフォンには、もともと加速度センサーが内蔵されています。これを活用すれば、特別な計測器を用意しなくても、ある程度の振動測定が可能です。
もちろん、精度や周波数帯には限界があります。
でも、SOMPIPEでは:
必要十分な測定時間(約10秒)を確保
センサーの特性に合わせた補正
ピーク・RMS・FFTの自動抽出と評価
という工夫をすることで、「現場判断レベルには十分な診断」を実現しました。
3. UIは“わかりやすさ”が命
画面設計でこだわったのは、「迷わない」「手順が見える」こと。
具体的には:
測定前 → シンプルな画面で測定開始をわかりやすく
測定中 → リアルタイム波形表示
測定後 → 結果が色分け+判定マーク付きで表示
レポート出力 → ワンタップでレポート生成が可能
結果の画面には「良好/注意/異常」などの評価も明示されるため、知識がなくても判断がつきやすくなっています。
4. その場で判断できる仕組みとは?
SOMPIPEは、以下の評価基準に基づいて自動判定を行います。
SwRI(Southwest Research Institute)の振動基準線図
これを組み込むことで、測定直後に「OKかNGか」がわかるようにしました。
📌 ポイントは、「その場で報告できる」こと。保全の現場では、「持ち帰って解析」では間に合わない場面が多いからです。
5. 「説明しやすい」ことも重要
現場で使うツールには、「上司や同僚に説明しやすい」ことも求められます。
SOMPIPEでは:
結果画面をレポートで保存・共有できる
グラフの見方をツールチップで補足
計測条件(場所、日付、機種など)を記録可能
といった工夫を通じて、「何をどう測ったか」が記録・共有しやすい設計にしています。
6. 今後の現場ニーズに応えるには?
現在のSOMPIPEは、シンプルな使いやすさを第一にしていますが、今後は以下のような展開も予定しています。
専用センサーとの連携 → より高精度な診断へ
クラウドでのログ記録による履歴監視
ただし、どんな拡張機能が加わっても、根本の思想は変わりません:
「現場の誰でも、その場で判断できる」
これが、SOMPIPEの軸です。
SOMPIPE-5




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