SwRI配管振動評価線図とは?
~ 変位×周波数で"危険な振動"を見抜く4つの判断ライン ~
はじめに
工場やプラントで「配管が揺れているけど、どこまでが危険なのか?」という判断に悩んだ経験はないでしょうか?その判断の軸として、SwRI(Southwest Research Institute)が提案している「振動評価線図(変位 vs 周波数)」が、多くの現場で活用されています。
SwRIの振動基準線図とは
SwRIが1980年代に発表したこの図は、配管のピーク変位(mm)と周波数(Hz)を組み合わせて、"疲労破壊のリスク"を評価するための経験則チャートです。
- 縦軸:振動変位(Peak-to-Peak mm)
- 横軸:振動周波数(Hz)
4本の評価ラインとその意味
| ライン名 | 意味 | 推奨されるアクション |
|---|---|---|
| Design | 設計目標レベル | 安心して運転可能 |
| Marginal | 許容レベル(設計内) | 点検継続でOK |
| Correction | 許容レベル | 詳細調査・振動源対策 |
| Danger | 破損限界レベル | 即対処・運転条件見直し |
⚠️ 特にDangerより大きな振動レベルであれば"要注意"です。配管破損の多くはこの領域で確認されています。
成り立ち:実測データに基づく信頼性
📊 石油・ガス・化学プラントなどの約4000件以上の振動事例・破損データをもとに設計されました。振幅が大きい × 周波数が中〜高域(20〜70Hz)→ 金属疲労の原因。
実際の適用例
ケース①:30Hz, 0.6mm → Correction領域
油圧ユニットのリターン配管。隣接機器(モーター)の共振が原因。支持方法変更+モーターマウント追加でDesign内へ改善。
ケース②:5Hz, 1.2mm → Danger領域
スチームライン。Ω継手&ルート再設計を実施。
注意点と補足知識
- 📌 Steel系の材料で適用される(樹脂系などには当てはまらない)
- 薬品による腐食などの材料腐食は考慮されていない
- 外力に対する損傷(工具による傷付き、地震によるダメージ等)は考慮されていない
まとめ
- ✅ SwRI基準線図は、配管振動の"安全判断"を助ける経験則グラフ
- ✅ 4つのゾーン(Design/Marginal/Correction/Danger)が判断の目安になる
- ✅ 計測 → プロット → 判断 → 対策 という流れを現場で再現可能
- ✅ 他の判断手法との"補完ツール"として使うのがベスト