SOMEQUIP 開発ストーリー

SOMEQUIPって何ができるの?

Fri Mar 20

SOMEQUIPって何ができるの?

はじめに

「ポンプの音がなんかおかしい気がする……でも、交換するほどなのかどうかわからない」

現場の保全担当者から、こういう声をよく聞きます。感覚として「異常かも」と気づいていても、それを数値で示す手段がなければ、判断も対策も後手に回りがちです。

SOMEQUIPは、そのギャップを埋めるために開発しました。スマートフォン1台で、ポンプ・モーター・圧縮機などの回転機械の振動を計測し、国際規格ISO 20816シリーズに基づいた評価を自動で出力できるアプリです。

この記事では、SOMEQUIPとは何か・何ができるのか・なぜ必要なのかを、第1回としてわかりやすく紹介します。

💡 この記事で得られること

  • SOMEQUIPの基本概要と対象設備の範囲
  • なぜISO 20816を基準に採用したのか、その背景
  • 無料でどこまで使えるか、機能の全体像

1. SOMEQUIPってどんなアプリ?

SOMEQUIPは、iPhoneに内蔵された加速度センサーを使って、回転機械の振動速度(mm/s RMS)を測定・評価するiOS専用アプリです。

対象となる機械は以下のとおりです。

対象設備代表例
ポンプ渦巻きポンプ、プランジャーポンプ
モーター誘導モーター、ブラシレスモーター
圧縮機スクリュー圧縮機、レシプロ圧縮機
ファン・送風機遠心ファン、軸流ファン
歯車装置減速機、増速機

1回の測定はわずか10秒ほど。結果はゾーン評価(A〜D)でわかりやすく表示され、PDFレポートの出力も可能です。アプリは無料・登録不要でApp Storeからダウンロードできます。

2. なぜ今、SOMEQUIPが必要なのか

回転機械の振動管理は、多くの現場でまだ「感覚」に頼っています。

よくあるのが、こんなケースです。

設備を巡回中、ポンプのそばに立ったとき、「なんか振動が強くなった気がする」と感じる。でも、測る手段がないからそのままにしておく。その2か月後、ベアリングが破損して設備が停止——こうしたパターンは珍しくありません。

問題の核心は3つあります。

  • 専用の振動計は高価(数十万〜数百万円)で、中小現場には導入しにくい
  • 測定・解析に専門知識が必要で、担当者が変わると引き継げない
  • 点検はあっても定量記録がないため、劣化の傾向をつかめない

SOMEQUIPは、この3つの壁を一気に下げます。

  • スマホだけで計測できるため、初期コストがほぼゼロ
  • ISO 20816という国際基準を組み込んでいるため、専門知識なしで判定できる
  • PDFレポートを出力できるため、記録と共有が簡単

「保全の民主化」という言葉があります。大企業や専門家だけが使えてきた診断技術を、中小現場でも誰でも使えるようにする。SOMEQUIPはその第一歩として開発しました。

3. なぜISO 20816を採用したのか

SOMEQUIPが振動評価に使っているのは、ISO 20816シリーズです。

ISO 20816は、回転機械の振動評価に関する国際標準規格で、機械の種類や出力に応じて複数のパートに分かれています。評価指標は**振動速度(mm/s RMS)**で、以下の4ゾーンで設備状態を判定します。

ゾーン意味推奨アクション
Zone A新品・正常範囲定期的な傾向監視を継続
Zone B許容範囲内監視継続。変化がないか確認
Zone C要注意・早期対策詳細調査と補修計画を立案
Zone D危険・即時対応運転停止または緊急補修を検討

なぜSOMEQUIPはISO 20816を選んだのか?

SOMPIPE(配管振動診断)ではSwRI評価基準を採用していますが、回転機械にはSwRIは使いません。回転機械の振動評価として国際的に最も広く使われているのがISO 20816系であり、ポンプ・モーター・圧縮機など主要な産業機械が網羅されています。

また、振動速度(mm/s)はエネルギーと直結した物理量であり、「設備がどれだけ激しく揺れているか」の実感と一致しやすい指標です。加速度(m/s²)より直感的に理解しやすく、異なる設備間での比較もしやすいという利点があります。

4. 実際にできること

SOMEQUIPの機能は大きく3つです。

① 振動診断(無料)

  • iPhoneの加速度センサーで振動速度(mm/s RMS)を計測
  • ISO 20816シリーズに基づくゾーン評価(A〜D)を自動表示
  • 対象設備の種類・出力を選択すると閾値が自動で切り替わる

② PDFレポート出力(無料)

  • 測定日時・設備名・計測値・評価結果をPDFにまとめて出力
  • 点検記録として保存・共有が可能
  • 設備管理台帳や報告書への添付にも対応

③ 傾向管理(将来実装予定)

  • 複数の測定ポイントをログとして蓄積
  • Zone推移のグラフ表示で劣化傾向を可視化
  • 「いつから悪くなったのか」を時系列で追えるようになる

5. まとめ:スマホで始める振動管理の第一歩

SOMEQUIPは、回転機械の振動診断を「誰でも・今すぐ・無料で」始められるようにするためのアプリです。

✅ iPhoneだけでポンプ・モーター・圧縮機の振動を計測

✅ ISO 20816に基づいたゾーン判定(A〜D)を自動表示

✅ PDFレポートで現場記録がすぐに残せる

振動診断は「専門家の仕事」というイメージがありますが、スクリーニング(異常の有無を大まかに確認する工程)は、正しいツールと基準があれば現場の誰でもできます。

SOMEQUIPは、その「スクリーニング」をスマホで実現することを目指しています。次回以降の連載では、実際の使い方や評価基準の詳細、PDFレポートの活用法などを具体的に解説していきます。

📌 この記事のポイント3つ

  1. SOMEQUIPはiPhoneで回転機械の振動を計測し、ISO 20816でゾーン評価するアプリ
  2. 感覚頼りの保全から脱却するための「数値化」「標準化」「記録化」が3つの柱
  3. 無料・登録不要で今すぐApp Storeからダウンロードして使い始められる

💡 明日から現場でできること

  • App StoreからSOMEQUIPをダウンロードしてポンプ1台で試してみる
  • 現状のゾーン(A〜D)を記録し、来月と比較する基準を作る
  • PDFレポートを1枚出力して、点検記録の代わりに使ってみる

SOMEQUIPを試してみる

機器振動診断アプリSOMEQUIPは無料・登録不要でApp Storeからすぐにダウンロードできます。