SOMPIPEって何ができるの? ― “振動診断”が工具になる日
- Yusuke Yoshihara
- 7月9日
- 読了時間: 3分
はじめに
「振動診断って、やっぱりハードル高いよね」
現場の保全担当者から、よくそんな声を聞きます。専用の計測器や専門知識が必要で、結局「うちではムリ」となってしまう。
でも、それを変えるアプリができました。それが**「SOMPIPE(ソムパイプ)」**です。
スマホ1つで、その場で機械の振動をチェックできる。特別なセンサーも、難しい設定も不要。誰でも“工具感覚”で始められる新しい診断のカタチを、この連載で紹介していきます。
第1回は、SOMPIPEとは何か? どんなことができて、何が変わるのか? をわかりやすく解説します。
目次
1. SOMPIPEってどんなアプリ?
2. なぜ今、SOMPIPEが必要なのか
3. 振動診断が“工具”になるという発想
4. 実際にできること(3つのコア機能)
5. まとめ:保全の「新しい入り口」としての可能性1. SOMPIPEってどんなアプリ?
SOMPIPEは、スマートフォンに内蔵された加速度センサーを使って配管の振動を測定・診断できるアプリ(iOS専用アプリ)です。
1回の診断はわずか10秒ほど。測定結果はグラフと数値で直感的に表示され、SwRI振動評価基準などの基準とも照合されるので、初めての方でも判断しやすくなっています。
スマホさえあればOK。アプリは無料で使い始められます。
2. なぜ今、SOMPIPEが必要なのか
これまで「振動診断」は、専門性が高く、高価な測定器と分析スキルが必要とされてきました。
でも現場では――
人の感覚や経験に頼った判断が多い
トラブルは“ある日突然”に見える
「とりあえずグリス」「とりあえず交換」が繰り返される
…そんな現実があります。
さらに、ベテランの退職や人手不足が進み、属人化リスクと技術の継承が課題となっています。
SOMPIPEは、そんな現場の現実に対して、
スマホという身近な道具で
数値と基準に基づいた判断を
誰でも再現できる仕組みとして
導入のハードルを下げ、「保全の民主化」を実現する第一歩となることを目指しています。
3. 振動診断が“工具”になるという発想
保全現場で当たり前のように使われる道具には、いくつかの共通点があります。
誰でも使える
結果がその場でわかる
持ち運びしやすい
価格が手頃
SOMPIPEは、この「工具としての要件」を満たすように設計されています。
要件 | SOMPIPEの対応 |
手軽に使える | スマホだけでOK。アプリ起動から数十秒で測定完了 |
結果がすぐ見える | 数値とグラフで診断結果を自動表示 |
習慣化できる | 工具感覚で日常点検に取り入れやすい |
費用対効果が高い | 無料でスタート。ログ管理も低価格から始められる |
これまで一部の専門家だけが扱ってきた「振動診断」を、現場の誰もが日常点検に組み込めるものへ。
つまり、「振動診断=工具」という発想です。
4. 実際にできること(3つのコア機能)
SOMPIPEの機能は、段階的に活用できる構成になっています。
① 単発診断(無料)
スマホだけで加速度を計測
加速度(RMS・ピーク)/変位(周波数領域)を自動表示
SwRIの基準と照らし合わせて診断
② 測定ログ管理(未実装)
設備名や測定場所を記録
複数設備のトレンド変化を可視化
「何かがおかしい」を履歴で発見できる
③ 拡張機能(開発中)
高精度センサとのBluetooth接続
故障モードの推定やAIアシスト診断
設備管理システムとのAPI連携
5. まとめ:保全の「新しい入り口」としての可能性
SOMPIPEは、振動診断を“誰でも使える工具”にするためのスマホアプリです。
✅ 測定→診断→記録まで、スマホ1つで完結
✅ 設備ごとの傾向をつかむことで、突発停止を予防
✅ 工具感覚で使えるから、「なんとなく点検」から脱却できる
現場で日々設備と向き合っているみなさんにとって、データを通じて「気づける力」を高めるツールになるはずです。
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