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加速度センサーの種類と特性──用途で選ぶ最適なセンサー

  • 1 日前
  • 読了時間: 14分

はじめに

「振動測定をしたい」と考えたとき、測定器を選ぶ前に決めるべきことがあります。それは「どのセンサーを使うか」です。

加速度センサーには、MEMS型、圧電式、静電容量式、水晶振動子式など、複数のタイプがあり、それぞれ得意・不得意があります。高価なセンサーが常に最良とは限らず、測定対象と目的に応じた選択が重要です。

この記事では、各センサーの特性を理解し、「どんな時にどのセンサーを選ぶべきか」の判断基準を提供します。


この記事は、振動測定器を選定する技術者・センサーの仕様を理解したい保全担当者・測定精度を向上させたい実務者の方に向けて書かれています。

💡 この記事で得られること

  • MEMS型・圧電式・静電容量式・水晶振動子式の特徴と違い

  • 周波数帯域・感度・価格の比較表と選定基準

  • 測定対象別(ベアリング・配管・建築物)の最適なセンサー選択ガイド


目次

1. 加速度センサーの4つのタイプ

1.1 センサータイプの全体像

振動を測定する加速度センサーは、大きく4つのタイプに分類されます。

タイプ

周波数範囲

DC応答

価格帯

主な用途

MEMS型

DC〜1kHz

低(0.1〜5万円)

一般診断、IoT監視

圧電式

0.5Hz〜50kHz

中(3〜30万円)

ベアリング診断、高周波測定

静電容量式

DC〜10Hz

中〜高(10〜50万円)

地震計、超低周波測定

水晶振動子式

DC〜400Hz

中〜高(10〜30万円)

建築モニタリング、微小振動


1.2 選択の基本的な考え方

どのセンサーを選ぶかは、以下の4つの要素で決まります

  1. 測定周波数範囲 : 何Hzから何Hzまで測定したいか

  2. DC応答の要否 : 0Hz(静的な傾き)も測定したいか

  3. 測定精度・ノイズレベル: どの程度の精度が必要か

  4. 予算: センサー1個あたりいくらまで出せるか


一般的な選択基準

多くの産業用途では、測定周波数範囲と予算がセンサー選択の決め手になります。

  • 周波数 < 1kHz、予算重視 → MEMS型

  • 周波数 1〜50kHz → 圧電式

  • 超低周波・DC測定 → 静電容量式

  • 超低ノイズ必須 → 水晶振動子式


これは、工具の選択に似ています

  • MEMS型 = マルチツール:小型で手軽、大半の作業に対応

  • 圧電式 = 専用工具:特定の作業で高性能

  • 静電容量式 = 精密工具:特殊な作業に特化

  • 水晶振動子式 = 最高級精密工具:最高精度が必要な時のみ

目的に応じた選択が重要です。


2. MEMS型:小型・低価格の汎用センサー

2.1 MEMS型の原理

概要

MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)は、半導体製造技術を使って微小な機械構造をシリコン基板上に作り込んだセンサーです。振動により内部の微小構造が変形し、その変化を電気信号として出力します。

動作の仕組み

【センサー内部の構造(概要)】

  1. シリコン基板上に微小な可動部がある

  2. 可動部に質量(おもり)が付いている

  3. 振動により質量が動く

  4. 可動部が変形する

  5. 変形を電気的に検出

  6. 電気信号として出力

※ メーカーによって具体的な検出方式は異なりますが、基本原理は基本的に同様です。

スマートフォンにも入っています

スマホの画面を回転させたり、歩数計として機能するのは、内蔵されたMEMS加速度センサーのおかげです。MEMSは、小型・低価格で大量生産が可能なため、消費者向け製品に広く使われています。


2.2 MEMS型の特徴

長所

  • ✅ 非常に小型(数mm角)

  • ✅ 低価格(1個100円〜10万円)

  • ✅ 低消費電力(バッテリー駆動に最適)

  • ✅ DC応答が可能(0Hzから測定できる)

  • ✅ 3軸センサーが容易(X・Y・Z同時測定)

  • ✅ 大量生産が可能


短所

  • ❌ 測定周波数範囲が狭い(通常DC〜1kHz)

  • ❌ ノイズレベルが高い(圧電式比)

  • ❌ 温度特性がやや劣る

  • ❌ 長期安定性が低い(ドリフトが大きい)


2.3 MEMS型の用途

適している用途

  • 一般的な機械振動測定(10〜500 Hz)

  • 配管振動の監視(低〜中周波数)

  • 無線IoT振動監視(多点・低消費電力)

  • 建物・構造物の振動測定(低周波)

  • 姿勢検出・傾斜測定(DC〜数Hz)

  • 3軸同時測定が必要な場合


適していない用途

  • 高周波振動の測定(ベアリング診断など、1kHz以上)

  • 超高精度が要求される測定

  • 極めて低ノイズが必要な測定


よくあるのが、こんなケースです

50台の設備に無線IoT振動監視を導入したいが、予算が限られている場合。

MEMS型センサー内蔵の無線IoTデバイスなら、1台5〜10万円程度です。50台で250〜500万円。

一方、圧電式センサーを使った無線IoTデバイスは、1台15〜20万円程度。50台で750〜1,000万円になります。

測定周波数が1kHz以下で十分な用途(配管の低周波振動監視、ポンプの回転周波数監視など)であれば、MEMS型で500万円程度のコスト削減が可能です。


2.4 産業用MEMS型と民生用MEMS型の違い

項目

民生用MEMS

産業用MEMS

価格

100〜1,000円

1〜10万円

測定範囲

±2〜16 g

±50〜500 g

ノイズレベル

高い

低い

温度範囲

-20〜+70℃

-40〜+125℃

校正

無し

有り

用途

スマホ、ゲーム機

設備診断、構造物監視

産業用MEMS型は、民生用より高性能ですが、それでも圧電式や水晶振動子式には及びません。用途に応じた選択が重要です。


3. 圧電式:広帯域・高感度の産業用標準

3.1 圧電式の原理

概要

圧電素子(圧電セラミックス等)に力が加わると、電荷が発生します。この性質を利用して、振動による加速度を電気信号に変換します。

動作の仕組み

【センサー内部の構造(概念図)】

  1. 質量(おもり)が内蔵されている

  2. 質量と圧電素子が接続されている

  3. 振動により質量が動く

  4. 質量の慣性力が圧電素子に加わる

  5. 圧電素子が電荷を発生

  6. 電荷を電圧に変換して出力


日常生活の例で考えると

ライターの着火スイッチを押すと、カチッという音とともに火花が散ります。これは、スイッチ内部の圧電素子を叩くことで、高電圧を発生させているのです。

振動センサーも同じ原理で、振動による力を電気信号に変えています。


3.2 圧電式の特徴

長所

  • ✅ 広い周波数範囲(0.5Hz〜50kHz)

  • ✅ 高感度・高精度

  • ✅ 温度特性が良い(-50℃〜+120℃程度)

  • ✅ 長期安定性が高い(ドリフトが少ない)

  • ✅ 堅牢性が高い

  • ✅ 高周波測定に強い


短所

  • ❌ DC応答不可(0.5Hz未満の測定が困難)

  • ❌ サイズが比較的大きい(直径20〜30mm程度)

  • ❌ 価格が中程度(3〜30万円)

  • ❌ MEMS型より高価


3.3 圧電式の種類

圧電式センサーには、電荷出力型とICP型の2種類があります。

3.3.1 電荷出力型(Charge Output)

特徴

  • センサーが直接電荷を出力

  • 専用のチャージアンプが必要

  • 高温環境に強い(〜200℃)

  • ケーブル長の影響を受けやすい

用途

  • 高温部の測定

  • 研究開発での高精度測定


3.3.2 ICP型(IEPE型)

特徴

  • センサー内蔵のアンプが電圧出力

  • 定電流電源が必要(測定器側で供給)

  • ケーブル長の影響を受けにくい

  • 最も一般的なタイプ

用途

  • 一般的な設備診断

  • ハンディ振動計での測定


現在の主流はICP型です

ICP型は、センサー内部にアンプを内蔵しているため、出力が安定しており、ケーブルを長く引き回しても信号が劣化しません。ハンディ振動計の多くは、ICP型センサーに対応しています。


3.4 圧電式の用途

適している用途

  • ベアリング診断(1〜10 kHz)

  • 歯車の異常診断(数kHz)

  • 回転機械の高周波振動測定

  • 一般的な産業機械の診断(10Hz〜数kHz)

  • 高温環境での測定(電荷出力型)


MEMS型との使い分け

条件

推奨センサー

周波数 < 1kHz、予算重視

MEMS型

周波数 > 1kHz(ベアリング診断等)

圧電式

高温環境(> 80℃)

圧電式

長期安定性重視

圧電式

多点・低コスト

MEMS型


4. 静電容量式:超低周波・DC測定対応

4.1 静電容量式の原理

概要

平行板コンデンサの容量変化を利用して、振動による変位を測定します。機械的な構造を持ち、古くから使われている方式です。

動作の仕組み

【センサー内部の構造(概念図)】

  1. 平行な2枚の電極板がある

  2. 一方の電極は固定、もう一方は可動

  3. 振動により可動電極が動く

  4. 電極間の距離が変化

  5. 静電容量が変化

  6. 容量変化を電気信号として出力


4.2 静電容量式の特徴

長所

  • ✅ DC応答が可能(0Hzから測定可能)

  • ✅ 超低周波測定に強い(DC〜10Hz)

  • ✅ ノイズレベルが低い(MEMS型より低い)

  • ✅ 温度特性が安定


短所

  • ❌ 高周波測定には不向き(通常10Hz以下)

  • ❌ サイズが大きい(50mm程度)

  • ❌ 価格が中〜高(10〜50万円)

  • ❌ 用途が限定的


4.3 静電容量式の用途

適している用途

  • 地震計(エレベータ用地震感知器など)

  • 建物の傾斜監視

  • 超低周波振動の測定(DC〜数Hz)

  • 重力方向の検出


典型的なのは、次のような状況です

エレベータには、地震発生時に自動停止する地震感知器が設置されています。これは、静電容量式加速度センサーで地震動(通常1〜10Hz)を検出しています。

圧電式センサーは0.5Hz未満の測定が困難なため、この用途には適していません。MEMS型も使えますが、信頼性・長期安定性の観点から、静電容量式が選ばれています。


5. 水晶振動子式:超低ノイズ・高精度測定

5.1 水晶振動子式の原理

概要

水晶振動子の振動周波数が加速度によって変化する性質を利用します。フォースバランス方式により、極めて高精度な測定を実現します。

動作の仕組み

【センサー内部の構造(概念図)】

  1. 可動部(振り子)に質量がある

  2. 振動により質量が動こうとする

  3. 変位を検出

  4. フィードバック力で可動部を元の位置に戻す

  5. フィードバック力の大きさから加速度を算出

この方式により、極めて低いノイズレベルと高い精度を実現します。


5.2 水晶振動子式の特徴

長所

  • ✅ 超低ノイズ(他のセンサーの1/10〜1/100)

  • ✅ 超高精度

  • ✅ DC応答が可能

  • ✅ 長期安定性が極めて高い

  • ✅ 温度特性が優れる


短所

  • ❌ MEMSに比べて高価(10〜30万円)

  • ❌ サイズが大きい(50mm程度)

  • ❌ 測定周波数範囲が狭い(DC〜200Hz程度)

  • ❌ 消費電力が大きい


5.3 水晶振動子式の用途

適している用途

  • 建築物の常時微動測定

  • 土木構造物のモニタリング

  • 地震観測(高感度地震計)

  • 微小振動の精密測定(nm〜μmレベル)

  • 研究開発での高精度測定


適していない用途

  • 一般的な産業機械の診断(過剰スペック・高コスト)

  • 高周波振動の測定(周波数範囲不足)

  • 携帯型測定(サイズ・重量が大きい)


よくあるのが、こんなケースです

高層ビルの常時微動(風や交通振動による微小な揺れ、数Hzレベル)を長期モニタリングしたい場合。

この用途では、nmオーダーの微小振動を、ノイズに埋もれることなく測定する必要があります。MEMS型や圧電式では、ノイズレベルが高すぎて微小振動を検出できません。

水晶振動子式センサーなら、超低ノイズで微小振動を正確に捉えることができます。価格は高価(10〜30万円)ですが、この用途では必須の選択です。


6. センサーの比較と選定基準

6.1 総合比較表

項目

MEMS型

圧電式

静電容量式

水晶振動子式

価格

◎ 0.1〜5万円

○ 3〜30万円

△ 10〜50万円

△ 10〜30万円

周波数範囲

DC〜1kHz

0.5Hz〜50kHz

DC〜10Hz

DC〜200Hz

DC応答

ノイズレベル

超低

精度

◎◎

サイズ

◎ 数mm

○ 20〜30mm

△ 50mm

△ 50mm

温度範囲

-40〜+125℃

-50〜+120℃

-20〜+70℃

-20〜+70℃

消費電力

◎ 極小

○ 小

○ 小

△ 大

長期安定性

△ ドリフトあり

◎ 安定

◎ 安定

◎安定

主な用途

一般診断、IoT

ベアリング診断

地震計

土木建築モニタリング


6.2 選定フローチャート

Step 1: 測定周波数範囲を確認

測定したい振動の周波数帯域を明確にします。

  • DC〜1Hz → 静電容量式 or 水晶振動子式

  • DC〜1kHz → MEMS型

  • 0.5Hz〜50kHz → 圧電式

  • DC〜200Hz(超低ノイズ) → 水晶振動子式


Step 2: 予算を確認

  • 〜10万円 → MEMS型

  • 10〜30万円 → MEMS型(高性能)or 圧電式

  • 30万円以上 → 圧電式(高性能)or 静電容量式 or 水晶振動子式


Step 3: 特殊要件を確認

  • DC応答必須 → MEMS型、静電容量式、水晶振動子式(圧電式はNG)

  • 超低ノイズ必須 → 水晶振動子式

  • 高温環境(> 80℃) → 圧電式(電荷出力型)

  • 多点・低消費電力 → MEMS型


Step 4: センサーを選定

上記の条件を満たすセンサータイプを選択します。


6.3 周波数帯域別の選択

測定したい周波数でセンサーを選ぶ

周波数帯域

測定対象の例

推奨センサー

DC〜1 Hz

建物の傾斜、地盤沈下

静電容量式、水晶振動子式

DC〜10 Hz

建物の揺れ、地震動

MEMS型、静電容量式、水晶振動子式

10〜1,000 Hz

一般的な機械振動、配管振動

MEMS型、圧電式

1〜10 kHz

ベアリング診断、歯車診断

圧電式

10 kHz以上

超音波、高速現象

圧電式(高周波対応型)


6.4 測定環境別の選択

環境条件

推奨センサー

理由

常温(-20〜+60℃)

全て使用可能

-

高温(+100℃以上)

圧電式(電荷出力型)

他は温度制限あり

低温(-40℃以下)

MEMS型、圧電式

最も信頼性が高い

屋外・長期設置

MEMS型(防水型)、圧電式

堅牢性が必要

バッテリー駆動

MEMS型

低消費電力が必須

微小振動(nm〜μm)

水晶振動子式

超低ノイズが必須


6.5 予算別の選択

予算

センサー台数

推奨選択

〜5万円

1〜数台

MEMS型(産業用)

5〜30万円

1台

圧電式(標準型)

30〜100万円

1台

圧電式(高性能型)、またはMEMS型多数

100万円以上

1台

水晶振動子式、または圧電式多数


7. 測定対象別のセンサー選択ガイド

7.1 ベアリング診断

測定の特徴

  • 周波数: 1〜10 kHz(ベアリング固有周波数)

  • 測定点: ベアリングハウジング表面

  • 求められる精度: 高

推奨センサー

  • 第1選択: 圧電式(ICP型、高周波対応)

  • 周波数範囲: 0.5〜25 kHz

  • 価格: 8〜15万円

NGなセンサー

  • ❌ MEMS型(周波数範囲不足)

  • ❌ 静電容量式(周波数範囲不足)


7.2 配管振動測定

測定の特徴

  • 周波数: 10〜500 Hz(流体脈動、共振)

  • 測定点: 配管表面(スパン中央)

  • 求められる精度: 中

推奨センサー

  • 第1選択: MEMS型(予算重視の場合)

  • 第2選択: 圧電式(高精度が必要な場合)

  • 周波数範囲: DC〜1 kHz(MEMS型)、0.5〜10 kHz(圧電式)

  • 価格: 1〜5万円(MEMS型)、5〜10万円(圧電式)

選択基準

  • 多点測定・予算重視 → MEMS型

  • 高精度・長期安定性重視 → 圧電式


7.3 ポンプ・送風機の診断

測定の特徴

  • 周波数: 10〜2,000 Hz(回転周波数とその倍数)

  • 測定点: ベアリング部、ケーシング

  • 求められる精度: 中〜高

推奨センサー

  • 標準: 圧電式(ICP型)

  • 周波数範囲: 0.5〜10 kHz

  • 価格: 5〜10万円

代替選択

  • MEMS型(低周波主体で予算重視の場合)


7.4 建物・構造物の振動

測定の特徴

  • 周波数: DC〜20 Hz(固有振動数)

  • 測定点: 床、柱、梁

  • 求められる精度: 中〜高

推奨センサー

  • 一般的な測定: MEMS型(3軸、DC応答)

  • 周波数範囲: DC〜100 Hz

  • 価格: 3〜5万円

  • 高精度測定: 水晶振動子式

  • 周波数範囲: DC〜200 Hz

  • 価格: 50〜200万円

選択基準

  • 一般的な振動測定・簡易モニタリング → MEMS型

  • 微小振動の精密測定・長期モニタリング → 水晶振動子式


7.5 無線IoT監視システム

測定の特徴

  • 測定点: 多数(50点以上)

  • 測定頻度: 間欠(1時間に1回等)

  • バッテリー駆動

  • 予算制約

推奨センサー

  • 第1選択: MEMS型(産業用、3軸)

  • 周波数範囲: DC〜1 kHz

  • 消費電力: 極小

  • 価格: 1〜3万円(センサーのみ)

理由

  • 低消費電力でバッテリー寿命が長い(5〜10年)

  • 小型で設置が容易

  • 低価格で多点導入可能

  • 一般的な設備診断には十分な性能


仮に、こんな状況を考えてみてください

50台の設備に無線IoT監視を導入する場合。

圧電式センサー内蔵の無線デバイスを使うと、1台20万円×50台 =1000万円になります。

MEMS型内蔵デバイスなら、1台10万円×50台 = 500万円で済みます。測定周波数が1kHz以下で十分な用途(配管の振動監視、ポンプの低周波異常検出など)であれば、500万円のコスト削減が可能です。


7.6 エレベータ用地震感知

測定の特徴

  • 周波数: 1〜10 Hz(地震動)

  • DC応答: 必要

  • 求められる精度: 高

  • 長期信頼性: 必須

推奨センサー

  • 第1選択: 静電容量式

  • 周波数範囲: DC〜10 Hz

  • 価格: 10〜30万円

理由

  • DC応答が可能(圧電式はNG)

  • 長期安定性が高い(MEMS型より高い)

  • 信頼性重視の用途


7.7 高層ビルの常時微動測定

測定の特徴

  • 周波数: DC〜5 Hz

  • 振幅: nmオーダーの微小振動

  • 求められる精度: 極めて高い

  • 長期連続測定: 必須

推奨センサー

  • 第1選択: 水晶振動子式

  • 周波数範囲: DC〜200 Hz

  • ノイズレベル: 超低

  • 価格: 50〜200万円

理由

  • 超低ノイズで微小振動を検出可能

  • 長期安定性が極めて高い

  • 他のセンサーでは測定不可能な精度


8. まとめ

加速度センサーは、MEMS型・圧電式・静電容量式・水晶振動子式の4つが主要なタイプです。

MEMS型は、小型・低価格・低消費電力が特徴で、周波数1kHz以下の一般的な振動測定に適しています。無線IoT監視や多点測定でコスト効率が高い選択です。

圧電式は、広い周波数範囲(0.5〜50kHz)と高感度を持ち、ベアリング診断など高周波振動測定に適しています。産業用振動測定の標準的な選択です。

静電容量式は、DC応答と超低周波測定が可能で、地震計やエレベータ用地震感知器などに使われています。

水晶振動子式は、超低ノイズ・超高精度で、建築物の微小振動測定など、最高精度が要求される用途に適しています。


重要なのは、「最も高価なセンサーを選ぶ」ことではなく、「測定目的・周波数範囲・予算に応じた最適なセンサーを選ぶ」ことです。


📌 この記事のポイント3つ

  1. 周波数1kHz以下・予算重視ならMEMS型、高周波(1kHz以上)なら圧電式

  2. DC応答が必要なら、MEMS型・静電容量式・水晶振動子式(圧電式はNG)

  3. 超低ノイズ・微小振動測定には水晶振動子式が必須


💡 明日から現場でできること

  • 測定対象の周波数範囲を確認し、必要なセンサー仕様を決める

  • ベアリング診断なら圧電式、無線IoT多点監視ならMEMS型を選択

  • 予算と性能のバランスを考え、過剰スペックを避ける


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