Somera 開発ストーリー

「誰が測っても同じ結果」を作る──Someraで保全を標準化する方法

Thu Jun 04

「誰が測っても同じ結果」を作る──Someraで保全を標準化する方法

「前任者が何を見ていたか分からない」——Someraを作るきっかけになった、現場で何度も聞いた言葉です。保全担当者が変わるたびに記録がリセットされ、また一から始まる。この記事では、Someraを使って「担当者に依存しない保全の仕組み」を作る方法を解説します。


はじめに

現場でよくあるパターンです。

定年退職したベテランが「振動が大きくなってきたら要注意」と知っていた。でもその判断基準は頭の中にあって、記録には残っていなかった。後任の担当者は、ゼロから観察を積み上げるしかない。

Someraがこの問題に対して出した答えが、「設備カルテ」という概念です。計測値・点検履歴・異常記録を一か所に蓄積することで、記録が引き継ぎ資料になります。

ただし、記録が「引き継げる」形になるには、最初に少しだけ設計が必要です。

💡 この記事で得られること

  • 複数人・複数設備を管理するときの設備カルテの命名ルール
  • 「誰が巡回しても同じ点検」を実現する巡回設定のポイント
  • 記録が引き継ぎ資料になるための3つの習慣

1. 設備カルテの命名ルール

設備カルテを作るとき、「とりあえず名前をつけて保存」で始めると、後から後悔します。

Someraの設備一覧画面。フィルタータブ(すべて・小型・SOMPIPE・大型業・その他)が上部に並び、コンプレッサー(1号)、蒸気配管(8系)、A系ポンプ(北近)、コンプレッサー(小型)がリスト表示されている
Someraの設備一覧画面。フィルタータブ(すべて・小型・SOMPIPE・大型業・その他)が上部に並び、コンプレッサー(1号)、蒸気配管(8系)、A系ポンプ(北近)、コンプレッサー(小型)がリスト表示されている

▲ 設備一覧画面。設備が増えても探せるように、最初から命名ルールを統一しておくことが重要。

よくある失敗

  • 「ポンプ」「コンプレッサー」だけで登録 → 台数が増えると区別できない
  • 担当者ごとに違う命名 → 「1号機」「A号機」「ポンプ①」が混在
  • 設置場所を入れ忘れ → 後から追加しようとしても現場に行かないと分からない

推奨する命名パターン

設備名:[用途/種類] + [識別番号or場所]
設置場所:[工場/棟] + [エリア/系統]

例:

設備名設置場所
1号コンプレッサー第一工場 蒸気系統
A系ポンプ第一工場 北近
蒸気配管 8系第一工場 蒸気系統

設備名に「系統名+番号」を入れておくと、設備一覧のフィルター・検索で素早く見つけられます。新しい担当者が来たときも、リストを見れば「どこに何があるか」が一目で分かります。


2. 計測ポイントの命名ルール

設備に計測ポイントを設定するとき、命名も統一しておきます。

計測ポイント命名のポイント

位置が特定できる名前にする

「ここ」「そっち」ではなく、初めて見た人でも場所が分かる名前を。

NG例OK例
計測点1出力軸近く
上側軸受カバー上面
ポンプ前吐出口フランジ近傍

写真と組み合わせる

計測ポイントに写真を紐付けられます(最大10枚)。初回計測時にスマホのカメラで「どこに当てたか」を撮影して保存しておくと、次の担当者が同じ場所を測れます。


3. 巡回設定:誰がやっても同じ点検になる

巡回機能は「計測のレシピ」です。一度設定しておけば、担当者が変わっても同じ手順で点検が実行されます。

Someraの巡回詳細画面。第一工場 蒸気系統の巡回ルートが表示され、計測ポイント(4件/2設備)としてコンプレッサーの2ポイント、蒸気配管の2ポイントが一覧表示されている。前回巡回から3日経過と表示されている
Someraの巡回詳細画面。第一工場 蒸気系統の巡回ルートが表示され、計測ポイント(4件/2設備)としてコンプレッサーの2ポイント、蒸気配管の2ポイントが一覧表示されている。前回巡回から3日経過と表示されている

▲ 巡回詳細画面。対象設備と計測ポイントが事前に設定されているため、「どこを測るか」を毎回考える必要がない。

巡回設定の設計ポイント

エリア単位でルートを区切る

工場全体を1つの巡回にすると、1回の点検が重くなりすぎます。「第一工場 蒸気系統」「第一工場 動力設備」のように、エリア・系統単位で分けると現実的な頻度で回せます。

設備の重要度で頻度を変える

すべての設備を同じ頻度で測る必要はありません。止まると影響が大きい設備(クリティカル設備)は週次、それ以外は月次、など。複数の巡回ルートを作って頻度を変えるのが実用的です。

五感チェック項目も標準化される

Someraの巡回中画面。点検項目として音・臭い・温度過熱・漏れ・振動・保護カバーの確認の6項目にチェックボックスが並んでいる
Someraの巡回中画面。点検項目として音・臭い・温度過熱・漏れ・振動・保護カバーの確認の6項目にチェックボックスが並んでいる

▲ 巡回中の点検チェック。「音の確認」「臭いの確認」など六感による点検もSomeraが項目として提示してくれる。

巡回中の五感チェックも、Someraが項目として提示してくれます。「何を確認するか」が画面に出るので、経験の浅い担当者でも漏れなく点検できます。


4. 記録が「引き継ぎ資料」になる3つの習慣

設備カルテと巡回を設定しても、使い続けなければ記録は積み上がりません。引き継ぎ資料として機能させるための習慣です。

習慣1:異常は軽いものから記録する

「重大な異常が起きたときだけ記録する」では、その前の経緯が残りません。「なんとなく気になる」段階から、軽微なメモとして残す習慣をつけます。

後任の担当者は「1年前にこの異常が記録されていた」という情報から、現在の状況を推測できます。

習慣2:対応内容も必ず残す

異常を記録したら、対応後に「解決済みにする」と対応内容を入力して完了させます。「異常を検出したが、現場確認したところ問題なしと判断」という情報も、次の担当者にとって貴重なデータです。

習慣3:計測ポイントの写真を更新する

設備の改修・支持の追加・配管の経路変更があった場合は、計測ポイントの写真を更新します。古い写真のまま放置すると「どこで測っていたか」が分からなくなります。


「いなくなっても困らない保全」を目指して

Someraが目指しているのは「ベテランが退職しても保全が止まらない現場」です。

設備カルテの命名規則・計測ポイントの写真・巡回ルートの設定・異常記録の習慣——これらは一人のベテランの頭の中にあった知識を、チーム全体が参照できる形にする作業です。

完璧なドキュメントを最初から作る必要はありません。「前任者の記録がある」というだけで、次の担当者の負担は大きく減ります。


まとめ

担当者が変わっても保全が続く仕組みを作るには、最初に命名規則と巡回設定を設計しておくことが鍵です。計測値だけでなく五感チェックや異常記録も含めてSomeraに一元化することで、カルテが引き継ぎ資料になります。

📌 この記事のポイント3つ

  1. 設備名・計測ポイント名は「初めて見た人でも場所が分かる」命名にする。最初の設計が後々の管理コストを決める
  2. 巡回機能を設定しておくと「誰がやっても同じ手順で点検できる」レシピになる
  3. 軽微な異常から記録する習慣が、設備の履歴を作る。記録がない期間が引き継ぎのブラックボックスになる

💡 明日から現場でできること

  • 登録済みの設備カルテの名前を見直し、場所・番号を含めた命名に統一する
  • 計測ポイントの写真を1枚撮影して添付する
  • 最近気になっていることを1件、異常記録として入力してみる

関連記事

最初のカルテを作る(Step A): はじめての設備カルテ──最初の1台を10分で登録する

継続計測と巡回機能の使い方(Step B): 計測を続けると見えてくるもの──振動変化指数・巡回・異常記録の使い方

設備カルテという発想の背景: 「設備カルテ」という発想──なぜ保全記録はバラバラになるのか

Someraに問い合わせる

まずお問い合わせください。担当者がプラン選定をサポートします。