振動の話

振動診断は何から始める?──初めての方のための入門ガイド

Mon Aug 10

「振動が気になるけど、どう診断すればいいのか分からない」——そんな悩みに、症状・目的別に必要な知識へ案内する入門ガイドです。今の自分に必要な知識を、最短で見つけてください。


はじめに

「うちの設備、振動が気になるけど、どう診断すればいいのか分からない」「振動を測定したいが、何から手をつければいいのか」——工場の保全担当者からよく聞く悩みです。振動診断は「固有振動数」「共振」「ISO20816」など専門用語も多く、何から手をつければいいのか迷いやすい分野です。

このブログでは、振動の基礎から固有振動数の計算、振動測定のやり方、ISO20816などの評価規格、共振対策、設備種別ごとの見方まで、テーマ別に知識を積み上げてきました。この記事は、それらを今の悩み・目的別に整理し直した入門ガイドです。

この記事は、振動診断・振動測定をこれから始めたい、あるいは何から手をつければいいか迷っている保全担当者の方に向けて書かれています。

💡 この記事で得られること

  • 自分の悩み・目的から、必要な知識へたどり着けるフローチャート
  • 基礎・計算・測定/規格・対策・設備種別・緊急時、6つの切り口で整理した知識ガイド

1. あなたの状況は?

「振動診断を始めたいが、何からやればいいのか分からない」——まずは今の悩みに近いものを選んでください。

【今、何に困っていますか?】

├─ 振動が突然大きくなった・今すぐ対処法を知りたい
│    → 7章「緊急時編」へ
│
├─ 「振動」「固有振動数」「共振」の意味からよくわからない
│    → 2章「基礎編」へ
│
├─ 固有振動数を自分で計算したい(配管・計装スタンドなど)
│    → 3章「計算編」へ
│
├─ 振動をどう測ればいいか/測った値の合否をどう判断すればいいかわからない
│    → 4章「測定・規格編」へ
│
├─ 共振しそうだとわかった/対策の選択肢を比較したい
│    → 5章「対策編」へ
│
└─ ポンプ・ファン・コンプレッサーなど設備別の見方を知りたい
     → 6章「設備種別編」へ

どれにも当てはまらない、複数にまたがるという場合は、ブログ一覧(振動カテゴリ)から全記事を見渡してみてください。


2. 基礎編:振動・固有振動数・共振の考え方を知りたい

振動診断の土台になるのが「振動」「固有振動数」「共振」という考え方です。ここを押さえておくと、この先の測定・計算・対策の話がスムーズに理解できます。まずは以下の記事から読んでみてください。

記事内容
それ、ただの揺れじゃないかも?振動が教えてくれるトラブルのサイン振動診断シリーズの入口。振動が発するサインの意味を知る
振動ってなんだ?基本のキホン周期・周波数・自由振動・強制振動という基本用語を整理する
小さな力で大きく揺れる共振の正体とは?「共振」という現象そのものを理解する
揺れやすい配管の正体とは?固有振動数とモード形状固有振動数とモード形状(変形パターン)の関係を知る
その振動、本当に大丈夫?加速度・変位・周波数から読み解く異常振動振動の大きさを表す3つの物理量(加速度・速度・変位)を理解する

リファレンスとして使う2本

一通り読んだ後、辞書的に手元に置いておくと便利な記事です。

記事内容
振動の単位換算マスター:加速度・速度・変位をひと目で使い分けるmm/s・μm・m/s²の換算を周波数別の早見表で確認できる
似ているけど実は別物──現場で混同しやすい振動・配管用語まとめ固有振動数と共振周波数など、言い間違えやすい用語のFAQ

3. 計算編:固有振動数を自分で計算したい

「この配管、共振しないだろうか」を自分で試算したい場合は、固有振動数の計算方法を知る必要があります。基本の計算式から、保温材・支持条件など現実の条件を加味した応用まで、以下の記事で段階的に確認できます。

記事内容
固有振動数を自分で計算してみよう:簡易式とExcel活用法両端単純支持梁・片持ち梁の固有振動数を計算する基本式。このシリーズの起点
固有振動数は実測で確認できる──現場で使える測定手法とその選び方計算値と実測値を照合する方法。計算だけに頼らないための実測アプローチ
保温材ありの配管、固有振動数はどれだけ下がる?質量付加効果を加味した計算と、計算値と実測値のズレの扱い方
片持ち梁配管の固有振動数を計算してみよう──バルブ・計器取付部のケース片持ち梁の応用計算。配管枝管・計器スタンド(山形鋼)の実例

💡 vibration7の計算式を土台に、vibration8〜12がそれぞれ違う角度(実測・保温材・片持ち梁)を深掘りする構成になっています。まずvibration7から読むのがおすすめです。


4. 測定・規格編:振動測定のやり方とISO20816などの判断基準を知りたい

「振動を測る」だけでは終わりません。どう測るか(測定方法)と、測った値をどう判断するか(評価基準)の両方が必要です。この章は振動カテゴリと測定技術カテゴリをまたいで案内します。

どう測るか

記事内容
振動測定の基本|測定点の選び方5原則と物理量・方向の使い分けガイドどこに・どの方向でセンサーを付けるかという測定の土台
振動測定手法の全体像:定期測定とシステム監視人が測りに行くか、システムに任せるかという手法の選び方
加速度センサーの種類と特性MEMS型・圧電式など、センサーの種類と特性の違い
測定条件の設定:サンプリング周波数・測定時間・フィルタ測定器で最初に設定する3つのパラメータの意味

何を基準に判断するか

「振動計アプリ」「振動測定アプリ」で測定はできても、その値の合否が分からないという声はよく聞きます。以下の記事で判断基準を確認してください。

記事内容
配管振動評価基準の選び方──SwRI・ISO・API・VDIの使い分けガイド配管振動の評価基準(SwRIが第一選択)を整理する
ISO 20816とは?──回転機械の振動診断に使う国際規格の全体像ポンプ・モーターなど回転機械の評価規格ISO20816の全体像と評価ゾーンの読み方
振動の許容値はどう決める?──規格がある設備・ない設備の両方に対応する判定ガイド規格がある設備・ない設備、両方に対応する許容値の決め方

💡 「配管」の振動はSwRI、「回転機械(ポンプ・モーター・ファン等)本体」の振動はISO20816——対象によって使う規格が違います。詳しい使い分けはmeasurement6・measurement10を参照してください。


5. 対策編:共振を避けたい・止めたい

固有振動数が励振周波数に近い(共振しそう)とわかったら、次は具体的な対策を検討する段階です。以下の記事で対策の選択肢を確認できます。

記事内容
その振動、どう止める?設計・運用・保全の3方向から考える対策対策の全体像。設計変更・運用変更・保全での対応、3方向のアプローチ
サポートを何本追加すれば共振を避けられる?──本数別・感度シリーズサポート追加による固有振動数の変化を本数別に比較する
固有振動数が共振しそうだとわかったら──対策ごとの効果を計算で比較する剛性変更・質量変更・減衰付加など、対策ごとの効果を横並びで比較する

6. 設備種別編:ポンプ・ファン・コンプレッサーの振動を知りたい

「ポンプの振動測定」「モーターの振動診断」など、設備を特定して調べている場合はこちらです。

記事内容
ポンプ・ファン・コンプレッサー、振動の見方は設備種別でどう変わる?設備種別ごとの測定位置・まず疑うべき周波数・FFTでの見方を比較する

同じ「回転する設備」でも、ポンプ・ファン・コンプレッサーでは振動の発生メカニズムが異なります。設備を特定して読みたい場合は、この1本がハブになります。


7. 緊急時編:振動が突然大きくなった

理屈より先に、今すぐの対処を知りたい場合はこちらです。

記事内容
振動が突然大きくなったときの対処フロー──現場でまず何をすべきか発見から原因の切り分け、運転継続か停止かの判断までのフロー

読んだ後、原因が「共振」だった場合は5章「対策編」、「規格に対してどのレベルか分からない」場合は4章「測定・規格編」に進んでください。


まとめ

振動診断・振動測定は、基礎(振動とは何か)・計算(固有振動数を求める)・測定/規格(どう測り、何を基準に判断するか)・対策(共振を避ける・止める)・設備種別(ポンプ・ファン・コンプレッサー)・緊急時対応、という6つの切り口で整理できます。

📌 この記事のポイント3つ

  1. 迷ったら1章のフローチャートで自分の状況に近い章を選ぶ
  2. 「振動測定」「ISO20816」など測定・規格側の疑問は4章がハブになる(vibrationカテゴリとmeasurementカテゴリをまたいで案内)
  3. 目的別グループのうち自分に該当する1本を読めば十分。全記事を順番に読む必要はない

💡 明日から現場でできること

  • 今抱えている振動の悩みを1章のフローチャートに当てはめ、読むべき記事を1本決める
  • 測定値の合否判断に迷っている場合は、4章から評価規格(SwRI・ISO20816)の記事へ進む
  • この記事をブックマークし、新しい振動トラブルに直面したときの入口として使う

関連記事

振動診断シリーズの入口: それ、ただの揺れじゃないかも?振動が教えてくれるトラブルのサイン

測定・規格の全体像: ISO 20816とは?──回転機械の振動診断に使う国際規格の全体像

設備種別ごとの振動の見方: ポンプ・ファン・コンプレッサー、振動の見方は設備種別でどう変わる?

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